かねてより本校ホームページでご紹介しておりましニフィス講演会が、13:00から、新潟市チサンホテルで、開かれました
演題は「社会に伝えたい福祉・介護の魅力−チャレンジする生き方」、講師はあの「五体不満足」の著者、乙武洋匡氏さん
スポーツライターだった乙武さんは、3年前から東京杉並区の小学校教諭として活躍されています。その教育活動シーンの、臨場感あふれる、ユーモアを交えながらの語り口は、講演が始まってほどなく、来場者の心を捉えました。会場全体が乙武さんの一語一句に聞き入る姿が印象的でした
教師になりたいと考えた動機は、自分や他者の命を軽んじている子どもたちがひきおこした多くの痛ましい事件。子どもたちを取り巻く状況を深く考えるようになったことです。
「子どもが変わったわけではなく、子どもが悪いのではない。子どもをとりまく環境への大人の心配りが足りないのではないか・・。」自分の力で生きられる大人になれるように車椅子を使わせなかった中学の恩師、それから「親は赤ん坊の私を育ててくれた、今度は私が親をみる番・・・・順番だから」と献身的に淡々と祖父母を介護する母親の姿が、その思いに重なり、今の自分があるのは、多くの人に支えられたからこそだ、その恩返しは、教師になって子どもたちを導くことだと決意したといいます
受け持ちの生徒たちが乙武先生のために争って開けたビンの牛乳をどうやって飲むか、電動車椅子を使わない時の異動の仕方等、自分の体の使い方を気さくな実演とともに話されました。低学年の子どもが先生の一挙手一投足を「ガン見」しながら、「障がい」をありのままに受けとめていくこと、中学時の恩師が、乙武さんがたくましい人間となることを願い、その成長を信じて校内の移動には決して車椅子を使わせなかったこと、乙武さんがしたいことは、多少のリスクも承知してチャレンジする姿を見守ってくれた両親等のエピソードは、私たちの「障がい観」「障がいをもつ方への支援の在り方」を揺るがしながら、深く心に染み入りました
泳げなかった生徒のために、自らもおぼれた経験を克服し、その生徒の前で飛び込み泳いで見せ、2年後にその生徒が25メートルも泳げるようになったのを見たとの感動的な話は、理想とする教育の話に連なりました。乙武さんの教育の理想は「のびたくんが認められる学校」。何もできないと思われている「のびたくん」が実は綾取りの天才
分りやすく、説得力があり、心を打つ乙武さんの話には、その33年間の人生で自らが努力を重ね続けることで得た、深い人間理解がそのベースに息づいていると強く実感しました。乙武さんの、明るくさわやかな印象のお人柄は、その深い人間理解の上に立つ、他者へのゆるぎない信頼に裏打ちされたものなのでしょう
介護は今、多くの課題を抱えています。しかし、どんなに困難であっても、それを必要とする多くの人たちのために、力を尽くし続けることが専門職者であるということを、この講演から学びました
たくさんのお申込み、ご参加まことにありがとうございました。
